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「学び合い」してみた(その1)

以前、フィンランドの教育がスゴいと聞いて、それ系の本を何冊か読んだことがあったのですが、噂に聞いていた「できる生徒ができない生徒に教えてあげる」と言うシステムのことが書いてありませんでした。どうやらたまたまチョイスした本が、教師の育て方とかフィンランドの教育観などに主な視点が注がれていたようで、現場でどのような指導が行われているのか?と言う具体的指導の話があまりなかったようです。

それで、また別ルートで、日本でも「生徒同士で教え合ったりする指導法がある」と言う情報を得て、早速そのことが書かれているらしい本を購入して読んでみました。

「クラスが元気になる!学び合いスタートブック」

と言う本です。

内容的をものすごーく大雑把に言うと「課題を設定して、そこまで生徒同士の協力で達成する!」と言うことなんですけど、ちょっと、仕事のプロジェクトみたいで面白そうですね。

ところで、今、GIFTでは、全校舎、期末テストの直しを行っています。直しが終わったら、期末テストの再試を行います。学校の先生が「ここは絶対に理解しておけよ!」とお作りになった期末テストを、完璧にマスターすることなく、次の学期に進んではいかんだろう!と言うことで、やっています。

普段、GIFTで「直し」と言えば、「間違えた問題に間違えた理由を書く(もしくはどうしたら正解になるか理由を書く)」と言う画期的なものでした。これは生徒ごとに間違えている理由が違いますから、真の理解を求めるには絶対に必要な過程でした。しかし、今回は、ここに「学び合い」を入れてみました。

気づけば(?)今は4校舎ありますので、いきなり一気にやってみるのではなくて、やはり、間近の本校(富加)でやってみることに(笑)中1クラスです。

富加の中学生クラスは全学年定員で、もちろん中1も定員16名のクラスです。この16名を4つのグループに分けてみました。点数や学校でバランスを取って、それぞれにグループリーダー(成績のよろしい子)を任命し、グループに分かれて期末テストの直しと復習をしてみました。担当のナリ先生は、経験豊富な先生で、みんなが間違っている問題は前で一度説明しておくなど、全体を見て回って、うまく調整してくれました。

ちなみに、ローカルルールとしては、次回の授業で行う「期末テストの再試」の結果からグループごとの平均を出して勝負すると言うものです。勝ったグループにはちょっとしたご褒美があります♪実は、普段から、ちょっとしたご褒美と言うシステムを考案導入していましたが、このブログで説明してなかったので、そのあたりは割愛します。

双葉中はもう何年もの間、成績の良い子がリーダーシップを取る学校の印象がありますので、今回リーダーになった子たちも、メンバーを叱咤激励しながら(笑)かなりいい感じで引っ張っていましたね。ナリ先生も、そうなるように、上手にグループを作っていました。すると面白いことが起きました。

ところで、GIFTの通常授業は9:45で一旦終わります。しかし、授業中のテストに不合格の生徒は、その後10:30まで居残りが課されます。この日の授業は、最初から期末テストの直しをしていて塾のテストをしていませんから、10:30まで残らなければいけない生徒はいませんでした。

し・か・し、学び合っているうちに、リーダー達が「もう、今日は、10時半まで行くぞ!」と言い出して、用事のある生徒以外のほぼ全員が自主的に10時半まで残って、教え合っていました。来週の再試に向けて燃えまくりです(笑)

まだ再試をしていませんので、理解度のチェックまではできていませんが、感触としては非常によいですね。

気をつける点としては、「塾」と言う場で、もう分かっている子が分かっていない子に教えている時間は、無駄ではないのか?と言うところですが、実際は、分かっている子が「教える機会」を得ることで、本質的な理解まで到達するメリットと言うことはあると思います。これは、自分が塾で「教える立場」になってから、強く実感するところでもあります。それでも、塾に行って他の生徒の教えるのは・・・と言う意見があれば、学び合いの間、その子はその子にあった難しめの別メニューで進めてもいいでしょう。それはそれで効果がありますね。

それから、まっさらな知らない単元の導入は、今のところ、講師が説明した方がいいと思いますね。何でも一つの指導方法がそれだけで完璧と思わなければいいと思います。塾の方針もありますし、要所要所でいろいろと取り入れていくことが肝心なのでは?と思います。

「学び合いスタートブック」には、一斉授業で機能しなかったクラスが学び合いで機能し始めた!と言うすばらしいエピソードがたくさん書いてありましたが、うちのように、定員制で補習制度も完備していて、一斉授業がかなりまともに機能していると自信がある教室で、さらにこういう違うことをやってみると言うのも、非常にいいな、と自分で思いました。

ナリ先生の意見としては、普段からやるより、大きなイベントごとのようにたまにやるのも飽きなくて効果がありそう、とのことでした。自塾の資産(オリジナル教材や独自の指導ノウハウ)とのバランスを考えて、いろいろ混ぜていくのがいいのでしょうね。何にせよ、僕らにとっても生徒にとっても、良い経験でした。

次回は、中3の話です。
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